フリーランスデザイナーとして求められる人間性・適性とは?

WEBデザイン制作やグラフィックデザイナー業をフリーランスで末長く続けていくためには、どんなタイプが好まれ優遇されるのか、フリーランス歴16年の筆者による考えをまとめてみました。

求められているイメージを表現する技術

会社にデザイナーが在中しているなら、わざわざ経費を使わなくても社内の人間にデザインを依頼をすればいいと思いますが、あえてフリーランスデザイナーに外注したいということは、その方はデザイナーとして経験豊富なプロでクオリティが高いことが理由に上がると思います。

  • 常に新しいものを作り出し、自分にしか出せない表現力(美的センス)を持っている
  • 自身のもつアプリケーションスキルで自由に素材を操り、思い描いたものをイメージ通りに可視化できるスキルがある
  • 求められているものへの理解力が早い

どんな案件にも、目的やターゲットがあり、集客に繋がらなければいけません。何を求められているのかがぼんやりではなく明確に理解できないと、いくら制作に時間をかけても無駄になってしまいます。

必要ならデザイン案を2、3案つくれる力量

方向性がというのは関わる人の性別や世代も違えば色も形も好みなセンスが違ってくるので、デザイン案は、経験上3案あった方が方向が決まりやすい場合があります。例えば制作を代理店から外注されている場合だと、

  • クライアント(依頼主)の要望通りにまとめたA案
  • 代理店(制作受注側)が押したいイメージのB案
  • 制作するデザイナーが客目線でよりわかりやすくまとめた新発想なC案(必ずしも押しではなく)

C案があるおかげでよりAB案どちらかのデザインがしっくりきたり方向性が絞られてきますし、予想していなかったC案の方向で決まることもあります。制作にみっちり時間をかけて自信作のデザインより、意外と短時間でさくっと仕上げた物に決まることがこれまでの経験で何度かありました。

そしてこれらのデザインのコンセプトを伝える言葉の能力も必須です。

他を削ってでも時間をかける

妥協せず納得するいいものを作りたい!満足してもらいたい!と思っています。

そのために、時には土曜日にも保育園へ預けたり、子守を姉にお願いしたりと、子供との時間がなくなることもあります。

子育てしながらの在宅ワークというのは、子供がまだ甘えたかったり具合が悪かったり夜に熱が上がる事も多いので、やっと仕事ができると思ったら23時過ぎているなんてこともあり、なるべく仕事を夜に持ち込まなくてもいいように日中に集中してこなす必要があります。

穏やかな性格で、受け皿が大きい

フリーランスにお願いする時に、気難しい、気性が荒い、といったタイプのアーティスト気質のデザイナーは扱いづらく、あまり好まれません。

相手の意見や要望を素直に受け入れて納得させる形にしてくれる事、自分の個性を前面に出し過ぎず控えめな制作者になれる事です。

どちらかというと雰囲気が穏やかで、何に対しても動じない人が向いていると思います。

具体的に言えば、B5という指示があったのにA4になりました!なんて今更言われても、キーッとならず、相手のミスであっても快く対応してくれる人です。

もちろん、無理なことは無理と言います。

言われたまま修正していたらデザインが滅茶苦茶になり残念な仕上がりになる事もあるので、何でもという訳でもなくどこかで線引きをしないとダメな事もあります。

双方が気持ちよく仕事を進めるために、怒らず、焦らず、やっていくしかありません。

面倒な作業であっても、目的のために確実に対処できることが、信頼へと繋がります。

孤独を愛するマイペース人間

フリーになりたいという人は、会社という組織の塊が面倒だと思う方が多いと思います。

提示された時間の中でいい物を作るのに限界があるので、結局自宅に持ち帰る、残業する、土日出勤する、といった自由がない縛りに疲れてきます。

アート気質な方は感受性が強く、人の足音や話し声すら雑音に感じてしまったり顔色の微妙な変化を読み取ってしまい、神経質で、疲れます。

私自身もそうで、会社員の時は、社内のピリピリッとした緊張された空気を過敏に感じて疲れたり、常に鳴る電話の音や、話し声、足音なども騒音に感じてしまい、リラックスして集中できない環境が、苦痛でたまりませんでした。

完全に1人が好きな自由人寂しくない人に合わせるのが苦手な人は在宅ワークは向いていると思います。

独身フリーランスの時代、スーパーのレジでお釣りをもらう時の「どうも〜」の一言が、何日振りに声出したんだろう!なんて事も・・・そんな孤独にも耐えられる人は大丈夫でしょう。

真面目と責任感の塊

きちんと整理されたフォルダの中身、ファイル名の付け方、データの作り方からその人の真面目さが現れ信頼へと繋がります。

弱音を吐かない、何とか乗り越えようと考える責任感の強い人は、最強です。

私もこれまで、こんなに納期が重なってしまい無事に終わる・・?という危機的状況は数えきれず。

誰かにヘルプをお願いする説明や時間がもったいなく面倒であり、そんな暇あったら自分でやっちゃえ!という1匹狼な性格なので、孤独と戦いいくつもの案件を乗り切れる人は自信もつきます。体力面ではハードです。

危機管理能力がある

納期は変わらないのに、スケジュール通りに進行したことはほとんど、ありません

大体のスケジュールは送られてきますが、1週間作業できるはずの予定が3日間で!?みたいなこともよくある話です。

来るはずの修正を待っていても実際修正依頼のメールが来たのはその日の夜だったりもしますし、待っている時間があったら買い物行けた・・と思う事もあります。

ですが、これは常に予測しながら制作できるスピード力が必要になります。先に進めておくべき案件を前倒して作業を進めるなど、納期が重なる事も多々あるので常にあらゆることを想定して作業していく能力が必要です。

リスクがあっても挑戦する

不安定な職業です。定期的に外注をしてくれるとも限りません。今の世のコロナで取引先が倒産ということもあるでしょうし、無収入になることも想定しておかなければなりませんので貯金もしっかり貯めておく必要はあります。私のようにシングルマザーになってしまうこともありますし、人生において安定した穏やかな生活を望む人には、向かないでしょう。

貯金があれば「ま、なんとかなる!」で済ませられる前向きな発想ができる人や、予算がないとしても損得を考えないボランティア要素をもつ人、ハングリーな方は、向いていると思います。

まとめ

何年もフリーでやってきて思うことは、私自身も一緒に成長させてもらっているなあと感じることです。経験が全て糧になっています。

人間性って、もともと備わっているものと、これから失敗したり様々な経験から身につくものがあると思います。コミュニケーションが苦手であっても、人は努力で内向的から社交的に変わったりもします。

人事は、作品よりも、最終的には人間性を見るものです。

どんな仕事をしたいかではなく、誰と仕事がしたいか、常にそう思って仕事をしています。あの人とまた仕事がしたいな、とか、あなたにぜひお願いしたいと思って依頼しますと言われた時に、やってきてよかったなと思います。それは成果物の実績もあるでしょうが、何よりも人との信頼感が、会社に属さないフリーだからこそ、大切なことだと思います。