シングルマザーで介護と育児の両立をしながら在宅で仕事ができるのか?(経験談)

シングルマザーでフリーランスの私が要介護5の母の介護と4歳児の育児や仕事をどのように両立させていたか、その結果どんな変化が起こったのかなど、これから在宅介護を始めようとする方へのアドバイスをまとめました。

1日の介護・育児・仕事の流れ

要介護5で寝たきり、医療行為が必要だった母の、大体の1日の流れをまとめました。

6:30 子供と共に起床し、着替え、洗顔などを済ませる
6:45 母の胃ろうへ朝の栄養剤と薬を投入
7:00 痰の吸引(1回目)
7:30 子供にご飯を用意し食べさせ、身支度を整える
8:00 ヘルパーさんが到着するのと入れ替わりに保育園へ送りに行く
8:30 家に到着。痰の吸入器に溜まった痰を捨てて洗浄したり、備品の入れ替え。母の尿パックから、溜まっている尿をトイレへ捨てる、尿量をメモ
9:00 ヘルパーさんが帰る
9:10 痰の吸引(2回目)
9:20 洗濯物を干したり、掃除などをする
9:40 仕事のメールチェックをしたり、今日の仕事量を把握する
9:50 痰の吸引(3回目)
10:00 パソコンに向かって仕事開始
11:30 母の昼食の栄養剤と薬を投入
12:00 自分の昼食
12:30 痰の吸引(4回目)
13:00 仕事再開1
13:45 入浴前の着替えやタオル、オムツなどを準備
14:00 訪問入浴の方々が到着(スタッフさんが熱や血圧測定、何か変わったことはないかなど、伝える)
15:00 入浴終了
15:10 痰の吸引(5回目)
16:00 父や子供の夕飯の準備
17:00 痰の吸引(6回目)
17:20 保育園にお迎えに行く
18:00 子供たち夕飯を食べさせる
18:30 母に夜の栄養剤と薬を投入
19:00 痰の吸引(7回目)
19:30 子供と入浴
20:30 歯磨きをしたり、寝る準備
20:50 痰の吸引(8回目)
21:00 子供を寝かしつけ
21:30 仕事再開2
23:45 痰の吸引(9回目)
24:00 就寝
3:00 痰の吸引(10回目)

このような流れなのですが、ほぼ、仕事の時間がありません日中は保育園に預けているために介護はできるのですが、夕方に帰ってきてからは、ほとんど子供と向きあっている状態で、夕食時にオムツ交換をしなければならない時などは、家の中がカオス状態です。

痰の吸引はこまめにしないといけないのですが、これが体調によっては1時間おきに吸引していたり、30分後にまた、ということもあり、24時間の対応が必要でした。

その他の介護の雑務

  • 尿がちゃんと出ているか、パックの量を測る。溜まっていない時は即緊急に連絡
  • 息が荒くないか、熱がないかこまめに体温を測る
  • 痰の色が緑や黄色になってないか(通常は白や透明だが緑や黄色は菌の色なので熱が出る前兆だったり、痰が多い)
  • 酸素吸引のホースが詰まったり汚れたりしていないかチェック
  • 医療が必要な重度患者のため、病院側から介護日誌が義務付けられおり、毎朝の尿の量や、痰の量、便の回数、状態などをその都度記しておく。このノートを見ながら、訪問看護さんが適切なアドバイスをくれたり、看護さんも来るたびにケアの内容を記入していく

介護以外に必要な買い物など

  • 処方された薬を薬局にもらいに行く。栄養剤は一度に5箱などもらうので、重くて運ぶのが大変
  • 処方される薬が3食分種類が違うので、わかりやすくまとめる
  • オムツや備品などの消耗品を定期的に買い出しに行く

在宅介護の始まり、緊張と不安

痰の吸引が予想以上に多い

在宅介護は始まったばかりの頃は、家の環境に母の体が順応しないために、痰がやたらと多く、30分おきに痰を吸引しているような状態でした。それもそのはず、痰の吸引とは技術的なものを要するために、うまく取れないのです。そのためにもう1回とって!というジェスチャー。何度も挑戦して、大きなものがゴロッとスッキリ取れた時なんかは、母は安眠できてしばらく痰の吸引をしなくてもよくなります。

食べる時間や一息つける時間がない

ごはんを椅子に座ってゆっくり、じっくり食べれた記憶がありません。常に時間を気にして次のやることが頭にあるので、食べながら母の栄養剤を入れたり、準備したり、保育園の持ち物チェックしたり、あれこれ多すぎて、ご飯に時間をかけられませんでした。

介護に追われてほとんど仕事ができない

ちょうど在宅介護が始まった頃、仕事がピークで忙しく、日中ほとんど介護の世話で仕事が手につかないことに焦りました。何か終わっても、何かやらなければならず、特に夕飯の支度に時間を取られるのが一番大変でした。時短でできる料理だったり、冷凍物に頼ったり、また同じ献立だったりと、夕飯にまで頭が回らない状態でした。

なので仕事をいつするのかというと、子供が寝静まった夜しかありませんでした。だいたい22時から仕事をし、終わらない時などは朝方まで仕事をしなければなりませんでした。

介護が始まってから半年後に起きたこと

常に痰の吸引が24時間対応する必要があるので、夜に熟睡できませんでした。夜中の痰の吸引で起きなければいけないのが辛く、毎日寝不足で疲れが溜まっていくのがわかりました。不眠と過労が重なり、慣れない介護、仕事や育児もフルに頑張った結果、体調を崩しました。

始まりは胃腸炎からですが、突然吐いて、1日中吐いていました。それから乾いた咳が頻繁に出るようになりました。次第に痰が絡んで、夜中に痰が詰まって窒息しそうになることもありました。次第に少しの動作でも咳が止まらなくなり、歩くこともままならなくなりました。後日百日咳の疑いと診断されます。治療のために吸入器を頻繁に使用し、この症状が改善するまでには、半年以上かかりました。

また、過去に過労ではよくでていた蕁麻疹も、出るようになりました。

そして、微熱、だるい、全身の関節が痛む、といった症状が1週間続いたりしました。これは、慢性疲労の症状に似ていました。

これらの症状が出た原因は、明らかに介護疲れやストレスだと思います。

そしてこれに追い討ちをかけたのが、離婚です。月1回の離婚調停や、用意する書類の整理、弁護士との打ち合わせなど、介護と仕事の合間によくやったと思うのですが、当時は何としても、仕事を軽減するためにも離婚して養育費をもらわなければなりませんでした。

介護負担を減らすためにしたこと

レスパイトを利用する

レスパイトというのは、介護をする家族が休むために患者を一時的に病院へ入院させるサービスです。私はGWや、子供の夏休み期間に合わせて、レスパイト入院の日程を組みました。レスパイト入院をするためには、病院のベッドのが空きがないと入れませんので、前もってケアマネージャーに相談しておく必要があります。

在宅介護をするにあたり、レスパイトは1日でも利用できるから、疲れたらいつでも相談してください、と言われていました。ただ1日だけの入院のための移動や車の手配なども容易ではないので、「1週間だけ」などの方が、休養も長く取れて、美容院へ行ったり、子供と長く遊べる時間が取れます。

介護点数をフルに使ってサービスを受ける

毎朝の訪問ヘルパーさんは、当初は週3回だったのですが、朝は子供のことで母の世話は食事ぐらいしか手が回らず、洗顔、清拭などをやっていたら午前中が終わってしまいます。そして、ケアマネージャーと相談し、毎朝来てもらうことに変更しました。朝の母の身支度は全てお任せし、土日も来てもらうことで、朝の介護は減りました。

外出時は交代制にする

初めての外出の時、スーパーに行く1、2時間が限界で、すぐに痰の吸引に帰らねば!と行った具合でした。そのうちに父も必要に迫られて痰の吸引を覚え、対応してくれるまでになり、外出するときは、父とだいたいの時間を決めて交代制にしました。どうしても半日以上を要する時は、姉に事前にお願いし、朝から来てもらって介護をお願いしました。

宅配サービスを利用する

頻繁にスーパーに買い出しに行く時間もないので、宅配サービスを利用して食材、冷凍食品などを毎週届けてもらいました。食材以外にも本だったり、オムツなんかもありますし、重いものは宅配に頼むのがいいかと思います。

育児を時々軽減させる

一番辛かったのは、子供がストレス発散できないことです。外出時間に長く時間を取れないことが原因でした。ちょっと遠くに行かせたくても、できません。そんな時に頼りになったのは、姉家族の存在でした。幸いにも近いところに住んでいるので、1日どこかに連れて行ってもらい、子供だけ預けることができました。子供も久しぶりにレジャー施設で遊んだり、外食したり、外の空気に触れて楽しんでいました。私がいないことを寂しくも思うようでしたが、いつもと違った環境で甘えさせてもらうことも、必要だと思います。

在宅の仕事は、皆が寝たあとに本気で集中

これは誰でもできることではありませんが、もちろん不眠になり過労になることなのですが、私の場合は、別居中で夫から生活費がもらえてない状態でしたので、仕事をしないという選択がありませんでした。ですが仕事をする時間がないのです、介護の間に育児が優先的に入ってくるのです。

もう、夜集中しかない!ということで、仕事に関しては頭を使いそうなWEBのコーディングなどは断り、淡々と作業をこなせるような更新作業であったり、慣れているパンフレットデザイン制作だけに絞って、無駄に時間がかかりそうな案件はしないようにしました。

これから介護を始められる方へ

介護は、1人では絶対にできません。私は40代のシングルマザーであり、全てを両立しようとすることは未知の領域でした。身体が少しずつ壊れていくのがわかりましたし、熟睡できないこと、気が抜けない、常に緊張した状態が続き、限界だなと思うことは何度もありました。

在宅フリーランスの立場からすると、在宅介護はできるんじゃないかと思っていましたが、想像以上の過酷さでした。育児も頑張りたい、仕事もしなければ、という境遇の中では、どれかの負担を減らすしかないと思います。

子供は小さいうちは保育園へ
介護をするという理由だけでも、預ける理由になります。病院からの診断書や、在宅介護をする必要性、1日の介護にかかる時間などによって、保育園へ入園できます。

頼れるサービスは使う
レスパイト入院というのは、病院へ入院するだけではなく、ショートステイなどの施設への入居も可能です。母は、1泊だけのお試しで医療対応が可能な特別養護老人ホームを利用したこともあります。

デイサービス、ショートステイの利用
デイサービスは週1回から、介護認定があれば通うことができます。食事、入浴、送迎などが受けられるので、家族の休息日として利用されている方も多いです。ショートステイは短期入所で、頻繁に通うなら1、2箇所の施設をあらかじめ見学などして候補を絞っておくことをおすすめします。家族が病気で介護ができないなどの時に、探す時間が省けて、空きがあれば入所できます。ステイ先は、常に同じ施設にしておく方が、施設側の対応にも慣れてもらえて安心です。

ケアマネージャーに、なんでも相談する
少しでも家族の負担が減らせるように、改善点があれば、提案をしてくれます。

家事代行、宅配弁当などのサービスを利用する
家事軽減のために、家事代行、炊事掃除などのサービスを利用すれば、家事にかかる時間が減りますし、高齢者向けの低糖質高カロリーな宅配弁当などのサービスもあります。

悩みを溜め込まない
ヘルパーさんに育児の相談をしたり、訪問看護さんにオススメのオムツがないか聞いてみたり、訪問入浴さんたちとは毎回の雑談が楽しみでした。ただおしゃべりをするだけでも、見えないストレスは少しだけ、減ります。やはり人と話すこと、外と繋がっていること、孤独ではないと思えることが、介護を続けていく支えとなります。

これから介護と育児や仕事まで両立させようと思っている方、自分1人で完璧にやらないでください。在宅介護の場合、病院と、ケアマネージャー、訪問看護、訪問ヘルパー、訪問入浴など、全ての関係者が1つのチームとなって連携して動いてくれます。介護が始まる前から「無理だと思ったら、レスパイトがあるから!」と病院側から常に言われていたことが、1つの安心材料でした。本人には申し訳ないことですが、自分と子供や周りの家族を守るために必要なことは、迷わず利用されてください。