フリーランスデザイナーになるまでに経験したことや習得したスキルとは

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フリーランスデザイナーになるまでに経験したことや習得したスキルとは

20歳で上京し、未経験からフリーランスデザイナーになるまでに経験したこと、様々な制作会社で身につけたスキルなどをまとめました。

目次

DTPオペレーター時代

上京後、実務経験がないのでデザイン会社はどこも受かりませんでした。辿り着いたのは、未経験可のDTPオペーレーターです。

DTPオペレーターの主な仕事

さまざまな印刷物データを作成

DTPオペレーターの主な仕事は、教材の制作、図のトレース、画像レタッチや切り抜き、当時流行っていたクォークエクスプレス(今でいうinDesign)で書籍の制作、などの様々な印刷物の制作でした。オペレーターなので、デザインはありません。レイアウトや文字の大きさ、全てにおいて指示されたものを制作するお仕事です。

製版・フィルム出力

また、フィルム出力といって、データからCMYKそれぞれの版を分けて透明なフィルムに4枚出力するのですが、それを全てのトンボを合わせ、色校正という本印刷前のフィルムを出力などもしていました。

画像のレタッチ

フォトショップで画像のゴミ消しをするレタッチをします。

アプリケーションの環境

当時はイラストレーター5.5の時代でしたが、(かなり古い!)イラストレーター初心者だらけの社員に指導してくれるリーダーがおり、また組版の知識を勉強する時間なども週のスケジュールに組み込まれていたりと、未経験者を育てようとする親切な会社でした。仕事をしながらDTPの基礎知識を学べたのは、ラッキーだったと思います。

DTPオペーレーター時代に習得したスキル

  • 1日100点の画像を黙々と切り抜く
  • 画像レタッチ(色補正、ゴミ取り、合成など)
  • 印刷に必要なデータ入稿の知識
  • どんな面倒な図でもコツコツトレースする
  • 保険の申込み用紙などの、mm単位で指定がある図表などをイラストレーターで作成する

デザインのアルバイト時代

次に、もっと自分の時間が作れるアルバイトの仕事をします。ノベルティグッズの商品企画の会社でした。仕事の内容は、グッズを提案するためのデザイン作成、取扱説明書、パッケージの作成などの商品に関わるデザイン制作でした。

ここで経験できたことは、イラストレーターの技術が向上したことです。Adobeイラストレーターで、グラデーションを使ったり、輝きを見せたり、をつけたり、透明感や質感を表現することが多く求められました。

これまでDTPでは全てに指定があって自由のない制作物しか作ってこなかったのですが、ここではたくさんの色を使って表現できることや、POPをどんな風にデザインすれば人の目に止まるだろうとか、そういった消費者目線で制作できることはいい経験になりました。

グラフィックデザイナー時代

広告を主に制作する小さなデザイン会社へ受かりました。

住宅の新聞折込チラシ、スーパーのチラシなどの制作が多く、住宅物件のロゴマークを制作したり、間取り図に色付けしたりしました。

難しい注文も多く、フォトショップで住宅の窓辺をゼロから作って広告の一面にしたいと言われたりしました。今思えば住宅が完成していないので写真がなく、そういったCG画像制作もやらなければなりませんでした。この頃からソフトはイラストレーターとフォトショップなら問題なく扱えるレベルになっていました。

未経験からWEBデザイナーへ

ここで、WEBに興味を持ち出します。本当はグラフィックデザインがしたいわけなのですが、紙媒体の仕事が減ってきた時代でもあり、小さな事務所では経営が難しく、同じ職種に転職するよりは、これからはWEBもやれなければ生き残れない!と思ったわけです。

そうしてWEBは未経験ながら、グラフィックデザイン経験ありというだけでWEB制作会社へ入社できました。この時25歳でした。

初めてのWEBの実務で習得したスキル

  • プログラマーとの連携したデータのやり取り
  • htmlのソースやコードを理解できるようになる
  • fireworksというアプリケーションを使ってのデザイン
  • 当時はhtmlでのテーブルコーティングが主流で、1人でコーディングができるようになる

こちらの会社は、入ってみたらビックリのブラック企業でした。社長のモラハラ、パワハラ、営業も社員も出来る人が次々と退職、学ぶべきことは学べたと思い、迷わず退職します。

孤独なWEBデザイナー時代

社長とデザイナー1人だけというWEB制作会社に受かりました。入社した途端にデザイナーが退職し、そこまで経験もない私がメインデザイナーになってしまいました。

間に代理店が入りましたが、大手のWEBサイトを制作したり、実績を多く積みました。

私のデザインを気にいってくれる代理店だったり、新事務所へのオファーを頂いたりなど、デザイナーとして技術的にも人間的にも会社から頼られる存在になりました。28歳の頃です。

1人だけなので電話の応対、打ち合わせ、お茶だし、デザイン、コーディング、頼る人がいない中でどんどん仕事が増えて、孤独とプレッシャーとで追い詰められることが多かったです。

WEBデザイナー時代に習得したスキル

  • 打ち合わせ、デザイン、コーディングまで全て1人で対応できる
  • 何件もの案件を同時進行させて制作できる(ときには徹夜
  • 誰にも頼らずきちんと納期までに仕事をこなす
  • あらゆる人と関わり、人を見る目が養われる

フリーランスとして活動開始

長年あまりにもハードだったため、30代手前に体力と精神力も疲れ果て、少し離れようと思い退職しました。

友人から「ちょっとバナーお願い」から始まり、在宅で仕事をこなしているうちに、そのまま仕事が途切れずフリーランスになってしまって今に至ります。

印刷物も出来るということで、飲食店のメニューやポスターなどを、直接請け負って制作していました。

他には、週3回事務所にきて欲しいなどという助っ人的な仕事や、新案件で長期間ものは半年ほど制作会社へ出向して制作をするなど、色々な働き方をしました。出向した時は、ノートパソコン持参です。

これまで仕事が続けられているのは、制作会社の外注として定期的に案件をいただいているからです。

忙しいけど5案件ぐらいは同時進行できることが、これまでにハードにこなしてきた経験が生かされています。

フリーランスになって身についたこと

  • CSSコーディング
  • 青色申告のための経費管理、経理事務作業
  • 時と場合によって安売りしない、値段交渉

まとめ

WEBと紙媒体両方のスキルが強み

フリーランスでは、定期的に入ってくる仕事が大事な安定収入になります。それはWEBでも紙でもどちらもできる方が、確実に受ける仕事の幅が広がります。

DTPでは文字の字間、ツメ、タイトルと本文のサイズの強弱などのバランスが重要ですが、WEBでもそういった文字へのこだわりがデザインで差をつけられます。WEBもやるけどイラストを描いたり、グラフを作成したり、一通りデザインするスキルがあることが自分の強みだと思っています。

働きながら習得する方が近道

私の場合、アプリケーションスキルは仕事の経験だけで習得しました。これが一番早く覚えられる方法だと思います。基本はある程度できた方が良いですが、その応用は自分のセンスです。

またDTP時代の根気のいるトレースや切り抜き作業も、今とても役に立っています。地図を作成するなんて大変!と思わずに楽しくやれています。

CSSコーディングは、フリーランスになってから習得しました。これも実務で覚えたので、全てが仕事から止むを得ずというのか、勉強せざるを得なかったスキルです。できないからやらない、受けないではなくて、何事も挑戦して勉強してやってみる姿勢でここまでこれた気がします。今となっては、20代、30代だったからなんでも吸収しようとする力があったんだと思います。

フリーを目指している方へ

まずは、色々な制作会社で働くことが一番の近道だと思います。

小さな制作会社では、1人で見積もりから打ち合わせ、制作まで1人でこなし、フリーランスと同じ経験をすることができます。

大きな会社では、上下関係、各部署との連携、やたらと会議、面倒な仕事は下請けへ発注するなど、会社によってさまざまな制作スタイルが学べます。

まずはアプリケーションのスキルは必要ですが、センスとやる気があれば、すぐに向上します。

私のこれまでの道のりは正しいのかわかりませんが、転職が多かったことは事実です。東京は山ほどの会社があるので、人間関係無理だ!と思ったら即やめていいと思います。ですが妥協してでも働いて磨きたいと思える会社があれば、最低でも1、2年は働いてみて、次へのステップとなるようにスキルアップをしてどんどん上へ目指していって欲しいと思います。

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